食品輸入の通関でよくあるトラブル10選と対処法【初心者必読の実務ポイント】

ケース別・商品別の注意点

「初回通関で止まった…」は珍しくない

「食品を輸入したら、税関から突然ストップがかかった」
「フォワーダーに“書類不備です”と言われたけど、何が悪いのかわからない」

食品輸入を始めたばかりの方から、最も多く聞く悩みです。
実は、食品輸入の通関トラブルは知識不足よりも“思い込み”が原因で起こるケースが大半。

この記事では、実際の現場でよく起きるトラブル10選を、
👉「なぜ起きるのか」
👉「どう対処すればいいのか」
👉「事前にどう防ぐか」
をセットで解説します。


食品輸入で通関トラブルが多発する理由

食品は、一般雑貨と比べて

  • 税関
  • 検疫所
  • 厚生労働省

など複数機関が関与するため、チェック項目が非常に多くなります。

さらに中国輸入では、

  • 書類の粒度
  • HSコード認識
  • 原材料表示

などが日本基準とズレていることも多く、トラブルの温床になりがちです。

食品輸入における、契約前〜通関・申告・関税・NACCSまでの全体像は、以下の記事で初心者向けに図解しています。
▶ 【図解】食品輸入の流れを初心者向けに完全解説|申告・関税・NACCSまで


食品輸入の通関でよくあるトラブル10選【原因→対策】

以下は、初回~3回目の輸入で特に多い順に紹介します。


1:インボイスの記載不備(最頻出)

原因

  • 品名が「Food」「Snack」など曖昧
  • 原材料・用途の記載なし
  • 数量・重量がB/Lと不一致

対策

  • 品名は「具体名+用途」まで記載
  • 原材料・加工内容を明示
  • B/L・Packing Listと必ず突合

予防策
👉 事前に日本向けインボイスのテンプレートを渡す
(※中国サプライヤー任せは危険)


2:HSコードの誤り(税率・規制ミス)

原因

  • サプライヤーのHSを鵜呑みにする
  • 類似食品との区分違い(例:菓子 vs 調製食料品)

対策

  • 日本の関税率表で再確認
  • 不明な場合は事前教示制度を活用

予防策
👉 「なぜこのHSか」を説明できる状態にする。
  以下の記事で詳しくまとめています。

関連:[HSコードが分からない時の調べ方|初心者が間違えやすい3パターン]


3:食品等輸入届出の漏れ

原因

  • 「少量だから不要」と勘違い
  • 初回輸入で制度を知らない

対策

  • 原則すべての食品は届出対象
  • フォワーダー or 通関士に事前確認

予防策
👉 初回は必ず検疫所案件として想定する
 輸入前に確認すべき実務上の注意点については
食品輸入でよくある検疫トラブルと対応法|食品別チェックリスト付き
で詳しく解説しています。


4:検査対象になり通関が遅延

原因

  • 添加物・健康食品・新規原料
  • 中国産=リスク高と判断されやすい

対策

  • 検査期間(1〜2週間)を織り込む
  • 販売スケジュールを後ろ倒し

予防策
👉 初回はテスト輸入(少量)で実績作り


5:原材料表示が日本基準と不一致

原因

  • 中国表記そのまま
  • 添加物名が日本未承認

対策

  • 日本の食品表示基準で再チェック
  • 成分表・配合割合を取得

予防策
👉 ラベル作成は日本側主導で行う。
  以下の記事で詳しく解説しています。
【保存版】食品輸入を始める前に必ずやるべき準備リストと原材料表示で失敗しないための注意点


6:原産地偽装・証明不十分

原因

  • 実質加工地と原産国が違う
  • COO(原産地証明)が曖昧

対策

  • 加工工程の詳細を確認
  • 書面で証明を取得

予防策
👉 「どこで何をしたか」を説明できる資料を準備


関連記事:衛生証明書は「提出しない」選択肢もある?実務で失敗しない判断基準を解説

7:輸入禁止・規制原料を含んでいた

原因

  • 日本で未承認の添加物
  • 健康食品系素材(漢方・植物)

対策

  • 即時返品 or 廃棄判断
  • 今後は原料段階で確認

予防策
👉 原材料リストを事前提出させる


8:貨物と書類の内容が一致しない

原因

  • 現物変更を連絡されていない
  • 梱包数・重量違い

対策

  • 開梱検査に対応
  • 修正申告

予防策
👉 出荷前写真・最終仕様確認を徹底


9:中国特有:書類は合っているが説明不足

原因

  • 「書類上OK=問題なし」という認識
  • 税関からの質問に即答できない

対策

  • 日本語での補足説明資料を提出

予防策
👉 “説明できる輸入者”になることが最大の防御


10:フォワーダー任せで内容を把握していない

原因

  • 丸投げ体制
  • 自社でチェックしていない

対策

  • 書類一式を必ず自分でも確認

予防策
👉 「最終責任は輸入者」という意識を持つ


食品輸入トラブルを防ぐための共通予防策

  • 初回は必ず少量テスト輸入
  • 書類は日本基準で事前作成
  • HSコード・原材料は自分で理解
  • 中国輸入は「説明力」を重視

※関連記事:


まとめ|食品輸入は「準備8割」で決まる

食品輸入の通関トラブルは、
知っていれば防げるものがほとんどです。

特に重要なのは👇

  • インボイスとHSコード
  • 原材料・表示・検査対応
  • 中国輸入特有のズレへの理解

焦らず、一つずつ確認できる体制を作ることが、
長く安定した輸入ビジネスへの近道です。

参考資料

  1. 税関|食品の輸入手続
    https://www.customs.go.jp/tsukan/yunyu/yunyufood.htm
  2. 厚生労働省|食品等輸入届出制度
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000049864.html
  3. 日本関税協会|HSコード解説
    https://www.kanzei.or.jp/
  4. JETRO|食品輸出入の基礎知識
    https://www.jetro.go.jp/theme/export.html