EUから食品を輸入する場合の注意点|実務で止まりやすいポイントと判断基準

ケース別・商品別の注意点

【結論・判断の要約】

EUから食品を輸入する場合、最大の判断軸は「原産地証明・ラベル表示の適合性」と「添加物・農薬基準の遵守」です。
制度上はEU規制と日本の食品衛生法が前提ですが、実務上はEU規制準拠の書類が揃っていても、日本側で追加確認・自主検査が必要になるケースが多い
です。
判断を誤ると、命令検査・通関遅延・積戻し・廃棄などのコストリスクが発生します。


「EU食品なら安心」という思い込みが危ない

EUは衛生管理や規制が厳格な印象がありますが、
実務では、

  • ラベルがEU表示(英語・フランス語・ドイツ語など)のまま提出される
  • 添加物や農薬基準が日本と微妙に異なる
  • 原産地証明・衛生証明書が揃っていない

といった理由で 検疫所で止まるケースが多いです。

そのため、EU食品でも「制度通り進めれば必ずOK」というわけではありません。

👉 関連:[食品輸入の必要手続きと検疫の流れを徹底解説]


EUから食品を輸入する際の原則

制度上、EUからの食品輸入も 食品衛生法・輸入届出が必要です。

原則として必要な対応

  • 食品等輸入届出の提出
  • 原材料・添加物の適合確認
  • 日本基準に沿ったラベル表示対応
  • 必要に応じた衛生証明書(Health Certificate)や原産地証明書(Certificate of Origin)

特に複合食品や調味料、乳製品・冷凍食品では、
事前の書類チェックが不可欠です。

食品輸入の必要書類についてはこちらのカテゴリで詳しく解説しています。
輸入書類の書き方と解説をご参照ください。


実務上、判断が分かれやすいポイント

① 添加物・農薬基準

EUではE番号の添加物が使用できますが、日本の食品衛生法に合致しているか確認が必須です。

  • 実務上、E番号表示だけでは不十分
  • 日本の基準値(mg/kg)や使用条件と照合が必要

特に複合食品・スナック・調味料での違反例が多く、
自主検査や第三者分析が推奨されます。


② ラベル表示の違い

  • EUでは英語・フランス語・ドイツ語表記が一般的
  • 日本語表示義務があるため、原材料名・アレルゲン表示・賞味期限などを翻訳・修正する必要があります

👉 実務上は、ラベル原案を日本語で添付して事前相談するケースが多いです。

ラベル表示に関してはこちらの記事で詳しく解説しています
食品輸入を始める前に必ずやるべき準備リストと原材料表示で失敗しないための注意点


③ 原産地証明・衛生証明書

EU輸出者からは、通常 Health CertificateCertificate of Origin が発行されます。

  • 原産地証明書が無いと通関で止まる
  • 加工品の場合、原料の原産地が明確でないと追加書類要求

実務上は、原料まで追跡できる証明書を確保することが重要です。

👉 関連:[食品輸入における原産地証明書(COO)完全ガイド]


ケース別:実務判断の目安

単純食品の場合

例:小麦粉、オリーブオイル、缶詰野菜

  • 添加物なし
  • 原材料明確

👉 原則通り進めやすく、事前相談・自主検査は省略可能な場合があります。

複合食品・加工食品の場合

例:調味料、チーズ入りソース、菓子類

  • 添加物多数
  • 原材料説明が複雑

👉 初回輸入は自主検査+事前相談が標準判断です。


判断を誤った場合のリスク

  • 命令検査対象になり、以降の輸入が厳格化
  • 通関遅延による販売機会損失
  • 積戻し・廃棄リスク

特にEU食品は、一度トラブルがあると「同種食品」全体で審査が厳しくなる傾向があります。

命令検査についてはこちらの記事で詳しく解説しています
食品輸入で命令検査になるケースと回避策|止まりやすい食品と実務チェックポイント


専門家視点のまとめ

  • EU食品も、見た目やブランドに安心感は不要
  • 添加物・ラベル・証明書の整合性が判断軸
  • 複合食品・乳製品・加工調味料は事前相談・自主検査を推奨
  • 初回輸入時は専門家相談が安全

よくある質問(Q&A)

Q. EUのオーガニック認証は日本でも評価されますか?
A. 原則として日本では認可されていません。制度上は参考情報として扱われます。

Q. EUからの乳製品輸入で注意すべき点は?
A. 原産地証明・衛生証明書が必須。ラクトースフリーやチーズ加工品も追加チェックあり。

Q. EU食品の少量サンプルは届出不要ですか?
A. 個人使用・非販売目的でも、配布や販売を想定すると届出が必要です。


参考資料