食品輸入を例に関税・消費税の計算方法を実務目線で解説します。
はじめに|食品輸入で「税金が想定より高い」理由
食品輸入を始めた方から、よくこんな声を聞きます。
- 「ネットで調べた税金より高い気がする」
- 「個人輸入の説明を参考にしたら合わなかった」
- 「関税は安いはずなのに、消費税が重い」
その原因の多くは、
👉 個人輸入と商用輸入の税金ルールを混同していることです。
特に食品輸入は、
- ほぼすべてが商用輸入扱い
- 個人輸入の「60%ルール」が使えない
ため、税金の計算方法が根本的に違います。
この記事では、食品輸入を軸に、
- 個人輸入と商用輸入の税金の違い
- 商用輸入(食品輸入)の関税・消費税の計算方法
- 実務で間違えやすいポイント
を、初心者〜中級者向けに解説します。
まず結論|食品輸入はほぼ「商用輸入」
最初に重要な結論です。
👉 販売目的の食品輸入は、原則すべて商用輸入
- 法人・個人事業主 → 商用輸入
- 副業・小ロット → 商用輸入
- Amazon・小売で販売 → 商用輸入
「数量が少ないから個人輸入」という考えは、
食品では通用しません。
個人輸入と商用輸入の税金ルールの違い
税金計算の違いを一覧で整理
| 項目 | 個人輸入 | 商用輸入(食品輸入) |
|---|---|---|
| 輸入目的 | 私的使用 | 販売・事業用 |
| 課税価格 | 商品代+送料 × 60% | 商品代+送料(100%) |
| 特別ルール | 60%ルールあり | なし |
| 税率 | 簡易税率が多い | 正式な関税率 |
| 消費税 | 10% | 10% |
| HSコード | 簡略 | 正式分類必須 |
👉 食品輸入では「60%ルールは使えない」
ここが最大の違いです。
商用輸入(食品輸入)の税金の基本構造
食品輸入で支払う税金は、次の2つです。
① 関税
- 食品の種類ごとに税率が異なる
- 加工食品・菓子類は税率あり
- 原材料によっても変わる
② 消費税
- 一律10%
- 関税が0%でも必ず課税
👉 関税+消費税=輸入時の税金
食品輸入の税金についてこちらの記事で詳しく解説しています
→食品輸入で関税・消費税を合法的に抑える方法
商用輸入における「課税価格」の考え方
商用輸入の課税価格(重要)
商用輸入では、次の合計がそのまま課税価格になります。
- 商品代金
- 国際送料
- 保険料(ある場合)
課税価格 = 商品代金 + 国際送料 + 保険料
👉 60%に減額されません。
ここを個人輸入と同じ感覚で考えると、
「税金が高い」と感じる原因になります。
個人輸入・商用輸入の違いはこちらの記事で詳しく解説しています
→商用輸入と個人輸入の違い|税関の扱い・必要書類を比較
食品輸入の税金計算方法
ステップ① 課税価格を計算
例
- 商品代:100,000円
- 国際送料:20,000円
課税価格 = 120,000円
ステップ② 関税を計算
食品の関税率は品目によって異なります。
- 一部食品:0%
- 菓子・加工食品:数%〜10%前後
仮に関税率5%の場合
関税 = 120,000 × 5% = 6,000円
ステップ③ 消費税を計算
商用輸入の消費税は、
(課税価格 + 関税) × 10%
消費税 = (120,000 + 6,000) × 10% = 12,600円
支払う税金の合計
- 関税:6,000円
- 消費税:12,600円
合計:18,600円
👉 食品輸入では、
消費税の比重が非常に大きいのが特徴です。
個人輸入と食品輸入で金額差が出る理由
同じ商品でも、
- 個人輸入:60%評価
- 商用輸入:100%評価
になるため、課税価格自体が違います。
例)商品+送料 120,000円
- 個人輸入:120,000 × 0.6 = 72,000円
- 商用輸入:120,000円
👉 この差が「思ったより高い」の正体です。
食品輸入は「税金」より「分類ミス」が怖い
商用輸入(食品輸入)では、
- HSコードの誤り
- 食品区分の誤認
- 原材料による税率違い
で、税率が変わることがあります。
👉 税金を下げようとして
自己判断で分類すると、
後日修正・追徴課税になるケースもあります。
👉 関連:[HSコードが分からない時の調べ方|初心者が間違えやすい3パターン]
よくある勘違い(食品輸入あるある)
❌ 少量だから個人輸入
→ 販売目的なら商用輸入
❌ 関税0%だから税金は安い
→ 消費税10%は必ずかかる
❌ ネットの個人輸入記事を参考にした
→ 食品輸入には当てはまらない
まとめ|食品輸入の税金は「商用前提」で考える
- 食品輸入は原則すべて商用輸入
- 個人輸入の60%ルールは使えない
- 課税価格は商品代+送料の100%
- 関税より消費税の影響が大きい
- 正確な分類が税金トラブル防止の鍵
👉 食品輸入の税金は「高い」のではなく「ルールが違う」
ここを理解すれば、コスト計算は一気に楽になります。
参考資料
1️⃣ 税関|個人輸入と商用輸入の違い
https://www.customs.go.jp/tsukan/kojin.htm
2️⃣ 税関|関税のしくみ・税率の調べ方
https://www.customs.go.jp/tariff/
3️⃣ 国税庁|輸入取引と消費税の取扱い
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6309.htm
4️⃣ 厚生労働省|食品の輸入手続(商用前提)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/yunyu/index.html


