海外の食品を日本に輸入したいと思っても、
・食品輸入はどんな流れで進むのか
・通関や検疫では何をするのか
・個人でも輸入できるのか
といった疑問が多く、最初の一歩で止まってしまう人が少なくありません。
実際、食品輸入は一般的な輸入とは違い、
検疫・届出・通関などの手続きが必要になります。
しかし、全体の流れを理解しておけば、
食品輸入のハードルは決して高くありません。
この記事では、海外食品を日本に輸入する方法を
「準備 → 手続き → 通関 → 販売」まで、
食品輸入の流れを7つのステップで分かりやすく解説します。
この記事を読めば、
✔ 食品輸入の全体の流れ
✔ 最初にやるべき準備
✔ 通関・検疫で失敗しやすいポイント
まで、初心者でも一通り理解できるようになります。
食品輸入の全体の流れ【まずは7ステップで把握しよう】
食品輸入は、以下の 7ステップで進みます。

👉 この流れを理解できれば、食品輸入の8割は理解できたも同然です。
【STEP別】食品輸入の流れと「詳しく知るべきテーマ」
STEP1|食品輸入できるかどうかの判定(法規制の基本)
食品=全部同じではありません。
初心者が最も多くやるミスは
商品を先に発注してから成分確認をすることです。
一般食品かサプリメントか、医療品かによって成分チェックが格段に厳しくなっていきます。
成分や用途によって輸入不可/要許可になることがあります。
食品衛生法で規制対象になっている食品や添加物ではないことを事前に確認しましょう。
食品輸入では、輸入前の法規制確認が不十分だと、
通関そのものができないケースがあります。
メーカーから原材料一式をもらってから輸入の可否を判断するのが鉄則です。
輸入後に違反が発覚すると廃棄、積戻し、次回以降の輸入停止につながるケースもあります。
原材料や添加物の確認は、
通関・検疫だけでなく、その後の販売可否にも直結します。
👉 食品衛生法・輸入前に確認すべき実務上の注意点については
「食品輸入の必要手続きと検疫の流れを徹底解説」をご参照ください。
📘 輸入食品の法規制をざっと理解したい方には、
「早わかり食品表示法: 食品表示法逐条解説」が便利です。
条文ごとに分かりやすく解説されているため、
「どの成分や表示が法律で求められているのか」を初心者でも理解しやすくなります。
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STEP2|国際取引条件(インコタームズ)の選び方と注意点
確認ポイント
- 商品単価・数量
- 国際送料
- インコタームズ(FOB / EXW 推奨)
食品輸入の注意点
- DDP契約は輸入者名義が不明確になりやすい
- 食品は「誰が輸入者か」が非常に重要です。
📌 ここで重要なテーマ
- ▶ インコタームズ(費用と責任の境界)
👉 関連:【完全解説】インコタームズ(FOB/CIF/DAP)と国際送料・輸送方法の比較
STEP3|海外メーカー・販売元から成分表や資料を入手する
必要書類
- Invoice(食品名・原材料・用途が重要)
- Packing List
- B/L または AWB
- 原産地証明書
食品でよくあるミス
- 商品名が抽象的(例:food / snack)
- 原産国・原材料の記載漏れ
📘 輸入食品の原材料・添加物のルールや実務を詳しく知りたい方は
こちらの新訂版ガイドブックが参考になります。
- 新訂版 基礎からわかる食品表示の法律・実務ガイドブック
条文や実務例まで丁寧に解説されており、輸入食品届出書作成時にも参考になります。
👉 関連:[インボイスの記載ミスで通関が遅れる理由|NG例と修正方法]
STEP4|日本到着・輸入申告(NACCS)
食品輸入では、NACCSを使った輸入申告が必須です。
多くの場合、この手続きは通関業者が代行します。
輸入者自身が操作するケースは多くありません。
行われること
- 税関への輸入申告
- 検疫所への食品届出
- 書類審査 or 検査
📌 ここで重要なテーマ
- ▶ NACCS(輸入申告の中枢システム)
NACCSでの申告手順や注意点は、こちらの記事で確認できます。
→【輸入申告の電子手続き】NACCSとは?初心者向けに仕組みと流れを解説
輸入者・通関業者・税関の役割についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
STEP5|食品等輸入届出の手順と検疫所で止まらないための準備
食品等輸入届出書の記入方法や記入に必要な書類についてはこちらで解説しています。
必要なもの
- 食品等輸入届出書
- 原材料表
- 製造工程表
- 成分分析表(必要な場合)
初心者が止まりやすい理由
- 書類が海外メーカーから取れない
- 日本語訳が不足している
検疫でチェックされる主なポイント
- 原材料
- 添加物
- 製造工程
食品輸入では、検疫の結果として
命令検査が指示されるケースがあります。
命令検査はランダムではなく、一定の傾向があります。
👉 命令検査になりやすい食品の特徴と、実務上の回避策については
→「食品輸入で命令検査になるケースと回避策|止まりやすい食品と実務チェックポイント」
をご参照ください。
※ 初めての食品輸入では、
このSTEPが最も時間と手間がかかります。
ただし 一度通れば、次回以降は大幅に楽になります。
STEP6|関税・消費税の支払い
支払う税金
- 関税(HSコードで決定)
- 消費税(CIF価格+関税 × 10%)
📌 ここで重要なテーマ
- ▶ 特恵関税(食品は適用できるケースが多い)
関税・消費税の抑え方や特恵関税の活用法はこちらの記事で詳しく解説しています。
→ 食品輸入の関税・消費税を正しく減らす方法|特恵関税(EPA・FTA)と還付制度を徹底解説
STEP7|日本語表示ラベルの作成と販売・保管
最終確認
- 日本語ラベル表示
- 原産国表示
- 賞味期限表示
食品販売で必須
- 表示ミスがあると販売停止・回収リスク
通関後に多いトラブルが、原材料表示・食品表示の不備です。
👉 原材料表示で失敗しないための実務ポイントは
「食品輸入を始める前に必ずやるべき準備リストと原材料表示で失敗しないための注意点」
で詳しく解説しています。
【最初に読む順番】食品輸入初心者ロードマップ
「結局、何から勉強すればいいの?」という方は、
以下の順番で読むのがおすすめです。
① 食品輸入の全体フロー(この記事)
② HSコードの基礎(食品分類)
③ 食品輸入の規制・食品届出
④ NACCSと輸入申告の流れ
⑤ 特恵関税と税金計算
👉 この順番で理解すれば、実務で迷いません。
食品輸入全体の流れがつかめてきたら、次に気になるのは「結局いくら儲かるの?」という部分だと思います。
私は実務で原価計算と利益シミュレーションをExcelで管理しているのですが、そのツールをまとめた記事を作りました。
ご興味があればこちらも参考にしてみてください。
輸入ビジネスの原価計算&利益シミュレーター|Excel・Googleスプレッドシート対応
📘 貿易・輸入手続き全体を俯瞰して理解したい場合は、
図解これ1冊でぜんぶわかる! 貿易実務
のような入門ガイドがあると、HSコードだけでなく、通関実務全体のつながりがよく分かります。初心者でも読みやすい図解構成なので、貿易実務入門書として役立ちます。
初めての食品輸入向け 質疑応答(FAQ)
1. 個人でも食品輸入はできますか?
はい、個人でも食品輸入は可能です。
ただし、販売目的か自分用かに関わらず、食品を輸入する場合は
食品衛生法に基づく検疫手続きが必要になります。
「個人だから簡単」ということはなく、
成分確認・書類提出・表示ルールなどは法人とほぼ同じです。
初めての場合は、少量・単一商品から始めるのがおすすめです。
こちらの記事で詳しく解説しています。
👉[食品輸入は個人でもできる?少量サンプル輸入と60%ルールを実務ベースで解説]
2. 食品輸入は何から始めればいいですか?
最初にやるべきことは、輸入したい食品が日本に輸入可能かを確認することです。
いきなり発注したり、通関の準備を始めるのはNGです。
具体的には、
- 原材料・添加物の確認
- 日本で禁止されていないかのチェック
を行い、その後に書類準備へ進みます。
この順番を間違えると、通関で止まる原因になります。
3. 初回の食品輸入で一番多い失敗は何ですか?
最も多いのは、成分や添加物を確認しないまま輸入してしまうことです。
海外では合法でも、日本では使用できない添加物が含まれているケースは少なくありません。
特に初回輸入では、
「少量だから大丈夫」「サンプルだから不要」
と判断してしまい、検疫で止まる例が多いです。
4. 食品輸入にはどんな書類が必要ですか?
基本的には以下の書類が必要になります。
- インボイス(請求書)
- パッキングリスト
- B/L または AWB
- 食品等輸入届出書
- 成分表・原材料資料
商品や内容によって追加書類が求められることもあるため、
事前に確認することが重要です。
こちらの記事でインボイスとパッキングリストの無料ダウンロードが可能です。
ぜひご活用ください。
5. 通関業者は必ず使わないといけませんか?
必須ではありません。
少量輸入や経験者であれば、自分で通関することも可能です。
ただし、初めて食品輸入を行う場合は、
書類作成や検疫対応で時間がかかることが多いため、
食品に強い通関業者を使った方が結果的にスムーズです。
通関業者についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
→通関業者を使うべき?食品輸入で失敗しない業者選びと役割解説
6. 検疫所への事前相談は必要ですか?
すべてのケースで必須ではありませんが、
以下に当てはまる場合は 事前相談を強くおすすめします。
- 初めて輸入する食品
- 成分や添加物が分かりにくい
- 動物由来原料を含む
事前に相談することで、通関後のトラブルを防げます。
検疫トラブル回避についてはこちらの記事をご参照ください。
→ 食品輸入でよくある検疫トラブルと対応法|食品別チェックリスト付き
7. 食品輸入にはどれくらいの期間がかかりますか?
商品や検査の有無によりますが、
問題がなければ数日〜1週間程度で通関が完了するケースが多いです。
ただし、検査対象になった場合や書類不備があると、
数週間かかることもあります。
初回輸入は余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
8.食品輸入はビジネスとして利益は出ますか?
結論から言うと、食品輸入ビジネスは利益を出すことは可能ですが、簡単ではありません。
特に最近は円安の影響で仕入れ価格や輸送費が上がっており、以前より利益を出しにくくなっているのも事実です。
また、食品輸入は
・食品衛生法の規制
・検疫手続き
・表示ルール
・在庫管理
など、一般的な輸入ビジネスよりも手続きや管理が多く、参入のハードルも比較的高い分野です。
ただし、その分 一度輸入ルートや販売先が安定すると、継続的な取引につながりやすいのも特徴です。
実際には
・特定の海外ブランドを独占販売する
・業務用として飲食店に卸す
・ECでニッチな海外食品を扱う
といった形で、安定したビジネスにしているケースもあります。
最初は小ロットでテスト輸入を行い、需要を確認しながら拡大していくのが現実的な進め方です。
初めての食品輸入チェックリスト
輸入前に以下を確認しましょう。
✔ 原材料・添加物の確認
✔ 日本で使用可能な食品か
✔ Invoiceの記載内容
✔ 日本語ラベル作成
✔ 検疫書類の準備
この5つを押さえておけば
初回輸入で大きなトラブルになる可能性は低くなります。
まとめ|食品輸入は「流れ」と「規制」を押さえれば怖くない
食品輸入は確かに一般商材より注意点が多いですが、
- 全体の流れを知る
- 失敗ポイントを先に理解する
- 必要な知識を順番に学ぶ
これだけで、初心者でも安全に進められます。
ここまで読んで、
「自分でも食品輸入できそうだけど、
実際の手続きは少し不安…」
と感じた方もいるかもしれません。
食品輸入は、商品によって
検疫・届出・書類が変わるため、
事前に確認しておくことがとても重要です。
初めての食品輸入で不安がある方は、相談ページからお気軽にご相談ください。
▶ 食品輸入のライト相談はこちら
さらに詳しく知りたい方は
👉 HSコード/特恵関税/NACCS の各記事を読んで、
知識を一段深めてみてください。
– [HSコードが分からない時の調べ方|初心者が間違えやすい3パターン]
– [食品輸入を始める前に必ずやるべき準備リストと原材料表示で失敗しないための注意点]
– [NACCS実務者向けガイド|初めて触る輸入担当者の操作ポイントと用語集]
– [輸入通関で止まる主な原因7つ|税関から連絡が来た時の対処法]
– [食品輸入の関税・消費税を正しく減らす方法|特恵関税(EPA・FTA)と還付制度を徹底解説]
記事参考リンク
- 日本貿易振興機構(JETRO):輸入手続きガイド
- 日本税関:個人輸入・商用輸入の手続き
- 国際商業会議所(ICC):インコタームズ解説
- 厚生労働省:食品衛生法のルール(公式)


