― 通関・検疫・販売停止を防ぐ食品輸入チェックガイド ―
食品輸入は「準備不足=通関不可」になりやすい分野
食品輸入を始めたばかりの方から、実務現場でよく聞くのが次のような声です。
- 「インボイスは揃っているのに、検疫で止まった」
- 「原材料表示を後で作ればいいと思っていた」
- 「海外では普通の成分なのに、日本ではNGだった」
食品輸入は、輸入前の準備段階で成否がほぼ決まる分野です。
特に、
👉 原材料の確認
👉 食品表示(日本語ラベル)
を軽視すると、通関後でも販売できないという事態に陥ります。
この記事では、食品輸入初心者〜中級者向けに、
- 食品輸入を始める前に必ずやるべき準備リスト
- 原材料表示で失敗しないための実務上の注意点
を、現場ベースで解説します。
食品輸入で最初にやるべき準備リスト【全体像】
食品輸入の準備は「輸入前」が8割
食品輸入で最低限押さえるべき準備は、以下の5つです。
- 食品として輸入可能かの法規制確認
- 原材料・添加物の詳細確認
- 食品等輸入届出の要否確認
- 日本向け食品表示(原材料表示)の設計
- 通関・検疫スケジュールの把握
👉 これらはすべて商品を出荷する前に完了している必要があります。
※ 食品輸入全体の流れはコチラの記事でご確認下さい
👉 関連記事:「食品輸入の流れをゼロから理解!最初にやるべきこと7つ」
準備① 食品として輸入できるかを最初に確認する
海外で「食品」=日本でもOKではない
食品輸入では、まず以下を確認します。
- 日本で食品として扱える商品か
- 食品衛生法で使用禁止の成分が含まれていないか
- 食品か、健康食品・サプリに該当しないか
実務で多い勘違い
- 「現地スーパーで売っているから問題ない」
- 「EUや米国で認可されているから大丈夫」
👉 日本の食品規制は独自基準が多く、これだけでは判断できません。
準備② 原材料・添加物は「輸入前」に細部まで確認する
メーカーから必ず入手すべき情報
食品輸入では、次の情報が揃っていないと検疫で止まる可能性があります。
- 原材料一覧(配合割合または重量順)
- 添加物の正式名称・用途
- 製造工程(簡易で可)
- アレルゲン情報
👉 **「原材料一式をもらってから輸入可否を判断」**が基本です。
添加物は微量でもアウトになることがある
実務上、最もトラブルが多いポイントです。
- 海外で一般的な保存料・着色料
- 微量使用
- 天然由来成分
👉 日本で未承認なら、使用量に関係なくNG。
輸入後に判明すると、
- 廃棄
- 積戻し
- 次回以降の輸入停止
につながるケースもあります。
準備③ 食品等輸入届出を前提にスケジュールを組む
食品は「通関前に検疫」が必須
食品輸入では、税関通関の前に
**食品等輸入届出(検疫所)**が必要です。
- 提出者:輸入者または通関業者
- 提出書類:
- 食品等輸入届出書
- インボイス
- 原材料・製造工程表
👉 書類不備=その場で通関ストップ、になります。
※こちらの記事で通関業者と食品等輸入届出について詳しく解説しています
👉 関連記事:食品輸入で通関業者を使うメリットとは?食品輸入に強い通関業者の選び方
👉 関連記事:食品等輸入届出書の書き方【記入例つき】
原材料表示で失敗しないための実務ポイント

食品輸入の現場で、実際によくあるトラブルがあります。
- 税関も検疫も問題なく通過
- 商品は倉庫に届いている
- でも Amazonや小売で販売できない
原因を調べると、多くの場合こう言われます。
「原材料表示(食品表示)が日本のルールに合っていません」
食品輸入では、
👉 通関できる=販売できる、ではありません。
原材料表示は「販売前チェック」の最重要項目
食品輸入の流れの中で、原材料表示は次の位置にあります。
- 輸入前:原材料・添加物の確認
- 通関前:食品等輸入届出
- 通関後・販売前:原材料表示の最終確認 ← ここ
👉 この段階でNGが出ると、
商品は国内にあるのに売れないという状態になります。
原材料表示は「翻訳」ではなく「日本用に作り直す」
海外パッケージの表示を、そのまま日本語に訳すだけでは不十分です。
理由:
- 原材料の並び順(重量順)が異なる
- 添加物の表記方法が違う
- 一括名表示が必要な場合がある
海外表示
Sugar, Corn Syrup, Flavor
日本向け表示(例)
砂糖、コーンシロップ/香料👉 単語を訳すのではなく、
「日本向けの表示を作る」意識が必要です。
日本向け表示を構成する4つの考え方
- ① 原材料名は「重量順」で並べ直す
- ② 添加物は「/(スラッシュ)」で区切る
- ③ 添加物は「日本で認められた名称」に置き換える
- ④ 日本で義務付けられている項目をすべて追加する
表示が必要な主な項目(最低限)
食品を日本で販売する場合、原則として以下が必要です。
- 名称
- 原材料名(重量順)
- 添加物
- 内容量
- 賞味期限
- 保存方法
- 原産国名
- 輸入者の氏名・住所
👉 どれか1つでも欠けると、販売不可になる可能性があります。
輸入者=表示責任者になることを忘れない
日本で販売する場合、
- 輸入者名
- 日本国内住所
を表示する義務があります。
よくある誤解:
- 「メーカーが作った表示だから問題ない」
- 「現地で問題なく売られている」
👉 日本では通用しません。
副業・個人輸入であっても、
- 表示内容
- 成分の正確性
については、輸入者が全責任を負います。
サンプル輸入でも原材料確認は必須
「サンプルだから表示は後でいい」
👉 これは食品輸入では通用しません。
- 原材料確認
- 添加物チェック
- 場合によっては届出
は、サンプル段階から実施するのが安全です。
食品輸入の失敗を防ぐための実務アドバイス
検疫所・通関業者への事前相談を活用する
以下のタイミングでの相談がおすすめです。
- 初めて扱う食品ジャンル
- 原材料に不安がある場合
- 海外メーカー情報が不十分な場合
👉 自己判断せず、事前相談が最短ルートです。
数万円の確認コストで、
数十万〜百万円の損失を防げるケースも珍しくありません。
まとめ|食品輸入は「準備」と「原材料表示」がすべて
最後に重要ポイントを整理します。
- ✅ 食品輸入は輸入前準備が8割
- ✅ 原材料・添加物は事前確認が必須
- ✅ 原材料表示は日本ルールで作り直す
- ✅ サンプル段階から食品扱いで進める
- ✅ 不安な場合は検疫所・専門家に相談
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