HSコードの調べ方を初心者向けに解説|初心者が間違えやすい3パターン

海外事業者向け | 日本の食品輸入

海外輸入・越境ECを始めると必ず出てくるのが「HSコード」。

税金(関税)や手続きがこの番号で決まるため、間違えると余計な税金が発生したり、輸入許可が遅れたりします。

HSコード(Harmonized System Code)は、世界共通の品目分類コードで、
日本では 関税率・輸入規制・統計管理 に使われます。

税関はこのコードを基に、

  • 関税率の決定
  • 規制対象品かどうかの判断
  • 申告内容の妥当性確認

を行うため、HSコードが曖昧・誤っていると通関審査が止まりやすくなります。

具体的な調べ方(税関Tariff検索を図解)

初心者が迷いやすい分類ポイント

食品・雑貨・電化製品の具体例

HS分類の基本的な考え方を、通関の専門家視点でわかりやすく解説します。

👉 関連:
[輸入通関で止まる主な原因7つ|税関から連絡が来た時の対処法]

初心者向けHSコードの調べ方と基本の理解

●HSコードの超シンプル定義

世界共通の「商品の分類番号」=HSコード
(正式名称:Harmonized System Code)

●HSコードで決まること

関税率(いくら税金がかかるか)

輸入規制の有無(食品検査・電波法・薬機法など)

手続き(届出が必要か など)

●番号の構造(図解風)

4901.99-000
│ │ └─ 国内独自の下4桁(細分類)
│ └──── HS6桁(国際共通)
└──────── HS2桁(大分類)

HSコードは、輸入する商品の種類を世界共通で分類するために使われる番号です。関税率の決定や通関手続きに必ず必要になるため、輸入ビジネスを行う人にとって避けて通れない知識です。しかし初心者の方は、どこで調べれば良いのか、どの番号を選べば正しいのか迷いやすいポイントでもあります。この章では、はじめての方でも迷わないように、HSコード 調べ方 の基本手順をわかりやすくまとめました。

HSコードを調べる前に、
全体のどの工程で必要になるかを把握しておくと理解が早くなります。
詳しくはこちら→ 【図解】食品輸入の流れを初心者向けに完全解説|申告・関税・NACCSまで

HSコードの調べ方:税関Tariff検索を使った手順


以下は、図解風に分解した操作手順です。

●STEP1:Tariff検索を開く
https://www.customs.go.jp/searchtc/jtcsv001.jsp

① 検索エンジンで「税関 Tariff検索」と入力
② 最上位に表示される“税関 Tariff検索”をクリック

●STEP2:キーワードで商品名を検索

画面上部の検索窓に商品名を入力します。

例)「coffee」「notebook」「headphones」など

例:コーヒー豆 → “coffee beans”

ポイント:英語で検索するとヒット率が高い

一般名称で検索(ブランド名NG)

●STEP3:候補リストから該当する品名を選ぶ

検索結果が複数出たら…

原材料

加工の有無

用途

素材

などを照らし合わせて最も近いものを選びます。

例えば↓

[珈琲豆(生豆)] → 0901.11
[珈琲(焙煎)] → 0901.21

●STEP4:税率ページで確認する

品目をクリックすると、以下が表示されます:

税率(WTO税率・暫定税率など)

輸入規制(食品衛生法、電波法など)

補足説明(NOTES)

素材・構造による除外条件

ここまで確認して初めて「正しいHSコード」です。
Tariff検索では、商品の「素材」「用途」「加工の有無」などが分類に大きく影響します。たとえば食品は加工済みかどうか、雑貨は素材が木製かプラスチックか、電化製品は機能や用途の違いによってコードが変わります。このあたりは初心者が特に間違えやすい部分なので、画面に表示される説明文を必ず読みながら判断することが大切です。

❌ NG例:
「電子部品」「アクセサリー」

⭕ OK例:
「スマートフォン用の充電ケーブル(USB-C、銅線、プラスチック被覆)」

食品・雑貨・電化製品のHSコード一覧

●食品の例(HS第1~23類)●雑貨の例(HS第39~96類)●電化製品の例(HS第85類)
商品HSコード(6桁)補足商品HSコード(6桁)補足商品HSコード(6桁)補足
コーヒー豆(生豆)90111焙煎前プラスチック製コップ392410台所用品ワイヤレスイヤホン851830Bluetooth=電波法注意
コーヒー(焙煎)90121焙煎後は分類が変わる木製スプーン441990木製雑貨ノートパソコン847130自動データ処理機器
チョコレート180631砂糖含有量で変わるノート(紙製)482010リング有無で変わらない電気ケトル851679家庭用電熱器具
ジャム200710フルーツの種類で微調整携帯用バッグ(合成皮革)420222素材が重要LEDライト940540家庭用照明

👉 注意
輸出国のHSコードをそのまま使わない
(国ごとに下位桁が異なるため)

初心者が失敗しないためのポイント

●①「素材」で分類が変わる

バッグ:革/合皮/織物で全部コードが違う

食器:木/陶器/金属で別分類

●②「加工の有無」で変わる

例:コーヒー豆、生豆と焙煎済で“別品目扱い”。

●③「用途」で分かれる

例:プラスチック製箱 → 一般用

プラスチック製医療用箱 → 医療用として別分類

●④電化製品は「部品扱い」に注意

同じ商品でも完成品(ヘッドホン)、部品(イヤーパッド)
では別のHSコードになる。

初心者の方に多いミスは、商品名だけで安易に分類してしまうことです。必ず公式文書の説明文(注釈や細分コードの説明)を確認し、内容が一致しているかチェックしてください。また、輸入する商品に近いサンプル例をいくつか調べておくと、より正確な判断ができます。さらに、品目によっては関税率が大きく変わる場合もあるため、事前に複数の候補コードを比較しておくと安心です。

初心者が間違えやすいHSコードの3パターン

パターン① 商品名だけで決めてしまう

ネット検索で見つけた「それっぽいHSコード」を
中身を確認せずに使うのは非常に危険です。

税関は
「そのコードに該当する理由」を見ています。


パターン② 材質・用途を無視してしまう

同じ商品名でも、

  • 材質が違う
  • 用途が違う

だけで HSコードが変わる ことは珍しくありません。

例:

  • 金属製部品
  • プラスチック製部品

→ 別分類


パターン③ 輸出者任せにしてしまう

海外サプライヤーが記載したHSコードは、
日本の通関基準と一致しないことが多いです。

最終的な責任は 輸入者側 にあります。

HSコードが確定できない時の考え方

HSコードは「絶対的な正解」がないケースもあります。

その場合は、

  • なぜそのHSコードを選んだのか
  • 他の候補とどう違うのか

説明できる状態 にしておくことが重要です。

実務では、

  • 過去の通関実績
  • 類似商品の事例
  • 税関への事前相談

を組み合わせて判断します。


通関時にHSコードで指摘された場合の対応

税関から

  • 「このHSコードでは判断できない」
  • 「別の分類では?」

と指摘された場合、

  1. 税関の指摘理由を確認
  2. 商品情報(仕様書・写真等)を整理
  3. 修正申告 or 説明資料提出

という流れで対応します。


まとめ|HSコードは「調べ方」と「考え方」が重要

HSコードは暗記するものではなく、

  • 商品を正確に理解する
  • 分類の考え方を知る
  • 説明できる状態にする

ことが重要です。

不安なまま申告すると、
通関遅延・関税修正・信頼低下につながります。

今回紹介した調べ方と注意点を押さえて、
通関トラブルを未然に防ぎましょう。

※HSコードは食品輸入の一部分です。
全体の流れや他の手続きとの関係を整理したい方は、食品輸入の流れと全体像をご覧ください。

👉 関連:[食品輸入の必要手続きと検疫の流れを徹底解説]

参考資料

  1. 日本税関:Tariff検索(HSコード検索公式ページ)
  2. 経済産業省:HSコード(輸出入統計用)
  3. 世界税関機構(WCO):Harmonized System (HS)について
  4. 農林水産省:食品の輸入規制とHSコード
  5. 総務省:電波法関連の輸入規制(電化製品向け)
  6. 厚生労働省:薬機法・化粧品・医薬品輸入規制