インボイスの記載ミスで通関が遅れる理由|NG例と修正方法

ケース別・商品別の注意点

輸入通関で最も多く指摘される書類トラブルの一つがインボイス(商業送り状)の記載ミスです。
「これでいいはず」と思っていても、たった一つの誤記載が税関審査を止める原因になります。
この記事では、通関で実際に起きるインボイスのNG例と、その修正方法・防止策を実務視点で解説します。


インボイスは通関で必須の書類

インボイス(invoice)は、輸入申告時に税関に提出する主要書類の一つです。税関はこの書類を基に貨物の内容・価格・数量を把握し、関税・消費税の計算を行います。
必須書類として、インボイスを添付しなければ通関手続きは始まりません。

輸入の流れ・通関の流れ全体を確認したい方はこちら
👉【図解】食品輸入の流れを初心者向けに完全解説|申告・関税・NACCSまで


インボイスの記載でよくあるNG例とその理由

以下は 通関で止まりやすいインボイスの誤り7つと、税関がなぜそれを問題視するかの解説です。


1. 品名が曖昧・一般的すぎる

例)「Parts」「Sample」など
税関は品目を正確に判断できず、分類が曖昧になると判断し、追加確認を求めて審査が止まることがあります。インボイスには具体的な品名・用途・材質などを記載します。

生物由来品学名で記載するのがベストです。

👉 関連:[HSコードが分からない時の調べ方|初心者が間違えやすい3パターン]


2. 数量・単位の誤記載

数量と単位(例:pcs、kg)の誤りは、総量や関税算定に影響します。
例えば、「10 pcs」のところを「10 kg」と記載してしまうと、荷物の評価が大幅に変わり通関トラブルになります。税関側は数量と単位の整合性が取れるかを重視します。


3. 価格の記載が不正確・通貨単位がない

インボイスの価格は関税計算の基礎になるため、取引価格と一致していないと審査で止まります。
価格が抜けていたり「0」となっているケースも指摘されやすいです。
NO COMMERCIAL VALUEのサンプル用のインボイスでも価格の記載は必須です。


4. 発送者・受取者情報の不備

発送者(輸出者)と受取者(輸入者)の正確な名称・住所・連絡先が記載されていないと、税関は所在確認や照合ができず、確認のため止められることがあります。住所の英語表記のスペルなどはしっかり確認しましょう。


5. 原産地・国名の誤記載

原産地の記載そのものは日本の通関で義務とはされませんが、一部の国の輸入規制や原産地表示制度に影響する可能性があり、税関側が確認することがあります。


6. インボイス番号・日付の不備

複数インボイスがある場合の番号整理不備や日付の抜けなどは、税関で記録管理ができず指摘されることがあります。
インボイス番号は必須ではありませんが、提出書類として番号・日付は分かりやすく記載するのが実務上の基本です。原産地証明書(COO)と日付を合わせる事も忘れないでください。

原産地証明書についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
食品輸入における原産地証明書(COO)完全ガイド


7. HSコードと不整合な内容の記載

インボイス自体にHSコードを載せるかどうかは議論がありますが、申告内容とインボイスの内容の不一致は税関が審査を止める原因になります。


インボイスの修正と再提出の手順

インボイス記載ミスが原因で通関が止まった場合、以下の流れで対応します。

① 何が問題なのかを特定する

税関連絡書に記載されている「修正箇所」をまず正確に把握します。
特に価格や数量の訂正指示がある場合は、誤記載箇所を明確にして修正案を用意します。


② 修正版インボイスを作成する

ミスを訂正したインボイスを新たに作成します。
記載内容は分かりやすく、数量・金額・単位・通貨・原産地などの情報を揃えます。


③ 輸入申告情報と一致させる

インボイスの内容が通関申告情報と一致しているか確認します。
一致していないと再度指摘されるため、発送書類・契約書・取引履歴も確認します。


④ 税関に再提出する

修正版インボイスを、税関・通関業者経由で提出します。
期限がある場合が多いので、早めの提出が重要です。


インボイスの記載をミスしないための事前チェック

インボイス作成時に以下の点を確認すると、通関トラブルを未然に防げます。

  • 品名は商品を具体的に表現しているか
  • 数量と単位は正確か
  • 価格・通貨は明確か
  • 発送者・受取者の情報が正確か
  • 関連する書類(パッキングリスト・契約書)と一致しているか

インボイスの記載ミスで通関が遅れる理由まとめ

輸入通関で止まる原因の大きな一つが、インボイス記載のミスや不備です。
インボイスは税関審査の基礎データとなるため、正確で詳細に記載することが重要です。

通関で止まったら、まず指摘内容の把握 → 修正 → 再提出を落ち着いて行いましょう。
よくある記載ミスと防止策を押さえておけば、通関トラブルの多くを未然に防げます。

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参考資料

  1. 税関 必要書類の一覧(インボイス含む) – 税関公式FAQ(Invoice は必須書類)
    https://www.customs.go.jp/english/c-answer_e/imtsukan/1107_e.htm
  2. UPS 通関遅延防止ガイド – インボイス項目と通関時の注意点(英文)
    https://filexfer.ups.com/jp/en/support/international-tools-resources/understanding-customs

 3. インボイスの作成方法(OCS) – 品名・数量・単価の具体例等(日本語)
   https://www.ocs.co.jp/shipping/express/invoice