中国から食品を輸入する場合の注意点|GACC登録と実務判断

ケース別・商品別の注意点

【結論の要約】

中国から食品を輸入する場合、日本側の食品衛生法対応に加え、
中国税関(GACC)に登録された工場かどうかの確認が最重要ポイントです。
添加物・残留農薬・表示不備で検疫所審査が長引くケースが多く、
初回輸入時は事前相談や自主検査を行うことで、通関リスクを大きく下げられます。
中国側の輸出検査に合格していても、日本での検査免除には直結しない点に注意が必要です。


なぜ中国からの食品輸入は注意が必要なのか

中国は日本にとって主要な食品輸入国の一つですが、
実務上は 他国よりも事前確認が重要になるケースが多い のが特徴です。

その理由として、以下が挙げられます。

  • 食品添加物や使用基準が日本と異なる
  • 原材料・製造工程の情報が不十分なまま取引が進むことがある
  • 中国側の輸出規制(GACC登録)が未確認のまま商談が進みがち

特に初心者の場合、
「中国で普通に流通している=日本でも問題ない」
と誤解してしまう点がトラブルの原因になります。


中国から食品を輸入する場合の基本的な流れ

中国から食品を輸入する場合の 一般的な流れ(原則) は以下の通りです。

  1. 中国側製造工場・商品の確認
  2. 原材料・添加物・製造工程の事前チェック
  3. 日本側で食品等輸入届出の準備
  4. 輸入時に検疫所へ届出
  5. 必要に応じて検査実施
  6. 届出済証の交付後、通関手続きへ進行

ここで重要なのは、
日本側の手続きは必ず「輸入者(あなた)」の責任で行う という点です。

また、

  • 自分だけで消費する個人使用(目安:10kg以下)
  • 販売・配布・業務利用

では 扱いがまったく異なる ため注意が必要です。

個人名義であっても、販売や不特定多数への配布(無料含む)を行う場合は
業務用とみなされ、食品等輸入届出が必須になります。

👉 関連:[食品輸入を始める前に必ずやるべき準備リストと原材料表示で失敗しないための注意点]


中国からの食品輸入で特に注意すべきポイント

添加物

日本では、国が許可した食品添加物のみ使用可能です。
中国で合法的に使用されている添加物であっても、
日本で未承認の場合は輸入できません。

特に注意が必要なのは:

  • 中国独自の着色料・保存料
  • 複合添加物で中身が不明確なもの

👉 成分表は必ず100%配合で確認する必要があります。


残留農薬・動物用医薬品

中国産の農産品・加工食品では、

  • 残留農薬
  • 動物用医薬品

の検査が行われることがあります。

違反率自体は全体として高くありませんが、
基準超過が出た場合は命令検査対象になる可能性があります。


命令検査についてはこちらの記事で詳しく解説しています
食品輸入で命令検査になるケースと回避策|止まりやすい食品と実務チェックポイント

中国側で必要な手続き|GACC登録の確認

中国から食品を輸出するためには、
製造工場が中国税関(GACC)に登録されていることが必須です。

この登録は
「輸出食品生産企業備案(Export Food Production Enterprise Record Filing)」
と呼ばれます。

実務上のチェックポイント

  • 工場に備案番号があるか
  • 有効期限が切れていないか
  • 登録品目と実際の輸出食品が一致しているか

中国語での確認例:

你有出口食品生产企业备案号吗?

⚠ よく混同される 「248号令」
「外国から中国へ輸出する場合」の制度であり、
中国から日本へ輸出する本件とは別制度です。


中国食品輸入で必要になる基本書類一覧

日本語名英語/中国語
食品等輸入届出書Import Notification / 进口食品申报
原材料・製造工程説明書Ingredient & Manufacturing Specification
衛生証明書Sanitary Certificate / 卫生证明
試験成績書Test Report / 检测报告
インボイスCommercial Invoice / 商业发票
パッキングリストPacking List / 装箱单
GACC合格証GACC Certificate / GACC检验检疫合格证明

書類の記載不備があると、
検疫所の審査が長引き、通関が止まる原因になります。


👉 関連:[インボイスの記載ミスで通関が遅れる理由|NG例と修正方法]

食品輸入の必要書類についてはこちらのカテゴリで詳しく解説しています。
輸入書類の書き方と解説をご参照ください。

実務上、特に判断が分かれやすいポイント

  • 初回輸入時に自主検査を行うべきか
  • 中国側検査がある場合、日本側検査は省略できるか
  • サンプル輸入は届出不要か

実務上は、

  • 継続輸入予定の商品
  • 原材料が複雑な加工食品

については、
初回自主検査を行うことでリスクを大きく下げられるケースが多いです。


よくあるトラブル事例

事例:個人輸入したお菓子が税関で止まったケース

中国から人気スナックを個人名義で輸入したものの、
販売・配布目的と判断され、食品等輸入届出が必要とされた例があります。

原因として多いのは:

  • 成分表示が日本基準に未対応
  • 衛生証明書・試験成績書の不備
  • 添加物情報の不足

結果として、
返品・廃棄・大幅な遅延が発生しました。


よくある質問(Q&A)

Q. 中国側の検査に合格していれば、日本の検査は不要ですか?
A. 原則として不要にはなりません。日本側での審査は別途行われます。

Q. 少量のサンプル輸入でも届出は必要ですか?
A. 販売・配布目的がある場合は数量に関係なく必要です。

Q. GACC登録がない工場の商品は輸入できませんか?
A. 原則として、中国税関で輸出許可が下りません。


まとめ|中国から食品を輸入する際の実務ポイント

  • 日本側の食品衛生法対応は必須
  • GACC登録の有無は必ず事前確認
  • 添加物・表示・書類不備がトラブルの原因になりやすい
  • 初回は事前相談・自主検査でリスク低減

中国食品輸入は、
事前確認を徹底することでリスク管理がしやすい国でもあります。


参考資料