中国から調味料を輸入する場合の注意点|添加物と実務判断の分かれ目

ケース別・商品別の注意点

【結論・判断の要約】

中国から調味料を輸入する場合、最大の判断ポイントは「添加物の適合性」と「原材料構成の開示レベル」です。
制度上は食品衛生法の一般ルールに従いますが、実務上は複合調味料ほど事前確認と自主検査を行うケースが多い
のが実情です。
中国側の製造・輸出が合法であっても、日本基準に適合しなければ通関できず、
判断を誤ると命令検査・積戻し・廃棄といったコストリスクが発生します。


「調味料なら簡単」という判断が一番危ない

調味料は

  • 常温保存が多い
  • 見た目がシンプル
  • 中国からの調達実績も多い

という理由から、
「比較的リスクが低い食品」だと判断されがちです。

しかし実務では、

  • 検疫所で止まる
  • 添加物でNGが出る
  • 成分表の再提出を求められる

といったトラブルが、調味料で最も多く発生しています。

その理由は、
調味料が“原材料・添加物・表示”すべての論点を含む食品だからです。


中国から調味料を輸入する際の原則

制度上、中国からの調味料輸入も
他の食品と同様に食品衛生法が適用されます。

👉 関連:[食品輸入の必要手続きと検疫の流れを徹底解説]

原則として必要な対応

  • 食品等輸入届出の提出
  • 原材料・添加物の適合確認
  • 日本基準に沿った表示対応

これは
醤油・味噌・ソース・だし類・粉末調味料など
すべてに共通します。

ただし、調味料の場合は
「原則どおり進めても、実務で止まりやすい」
という点が重要です。


実務上、判断が分かれやすいポイント

① 添加物の扱い(最重要)

調味料で最も多いトラブルは
添加物の不適合です。

中国では合法でも、日本では使用できない、
または 使用基準が異なる添加物 が含まれるケースがあります。

特に注意が必要なのは:

  • 複合調味料(粉末スープ、シーズニング)
  • 「香料」「調味料(アミノ酸等)」の内訳不明
  • 着色料・保存料を含む製品

👉 実務上は、
100%配合表(添加物含む)を中国側から事前取得できない場合、取引を進めない判断が多いです。


② 原材料構成が複雑な場合

調味料は

  • 原材料点数が多い
  • 半加工原料を使っている

ことが多く、
検疫所が内容を把握しにくい食品です。

この場合、

  • 成分説明の追加提出
  • 試験成績書の要求
  • 自主検査の指示

が出ることがあります。

👉 実務上は、
「原材料が3点以上」「機能性をうたう表現がある」調味料は慎重判断される傾向があります。


原材料表示に関してはこちらの記事で詳しく解説しています
食品輸入を始める前に必ずやるべき準備リストと原材料表示で失敗しないための注意点

中国側(GACC)と調味料の関係

中国から調味料を輸出する場合も、
製造工場がGACC(中国税関)に登録されていることが前提です。

実務で確認すべき点

  • GACC登録の有無
  • 登録品目に「調味料」が含まれているか
  • OEM製造の場合の責任主体

特にOEM品では、
ブランド元は問題ないが、製造工場が未登録
というケースが実務上よくあります。


こちらの記事で詳しく解説しているので併せてご参照ください
中国から食品を輸入する場合の注意点|GACC登録と実務判断

ケース別:実務判断の目安

シンプルな調味料の場合

例:塩、砂糖、単一原料の醤油

  • 添加物なし
  • 原材料が明確

👉 原則どおり進めやすく、
自主検査を省略するケースもあります。


複合調味料・粉末調味料の場合

例:中華スープの素、合わせ調味料

  • 添加物が多い
  • 原材料説明が複雑

👉 初回は自主検査+事前相談を行う判断が一般的です。


判断を誤った場合のリスク

調味料輸入で判断を誤ると、以下のリスクがあります。

  • 命令検査対象になり、以降の輸入が厳格化
  • 通関遅延による販売機会損失
  • 最悪の場合、積戻し・廃棄

特に調味料は
一度問題が出ると「同種食品」として管理が厳しくなる
点に注意が必要です。


👉 関連:[輸入通関で止まる主な原因7つ|税関から連絡が来た時の対処法]
👉 関連:[食品輸入で命令検査になるケースと回避策|止まりやすい食品と実務チェックポイント]

専門家視点のまとめ|調味料は「事前確認」が9割

  • 調味料は見た目以上に審査論点が多い
  • 添加物・原材料の開示レベルが判断の分かれ目
  • 実務上は「取引前にどこまで情報を取れるか」で可否が決まる
  • 初回・複合調味料は専門家相談を前提に進めるのが安全

よくある質問(Q&A)

Q. 中国で有名な調味料なら、日本でも問題ありませんか?
A. 原則として関係ありません。日本の基準に適合するかが判断軸です。

Q. 少量テスト輸入でも調味料は届出が必要ですか?
A. 販売・配布目的がある場合は必要です。

Q. 成分表が簡易的でも通りますか?
A. 実務上は追加資料を求められることが多く、リスクが高いです。


参考資料